- 設問1. あなたが今まで力を入れて取り組んだ内容を踏まえて、あなた自身について教えてください。(400字)
- 設問2. デジタル・AIツールの導入や業務プロセスの改善が進む中、依然として「生産性の向上」が課題である企業は少なくありません。企業の生産性向上が進まない原因は何だと考えますか? あなたがこれまで組織やチームへ所属した経験などを踏まえ、生産性向上を推し進めるあなたなりのアイディアを教えてください。(600字)
落ちる ES 例
私は学生時代、オリエンテーリング競技に打ち込み、クラブの主将として全国優勝を目指した。前年度、17年ぶりに全国優勝したクラブの強さを受け継ぐべく取り組んだ。全国優勝を成し遂げるには、個々が最大限にスキルアップする必要がある。自発的に多くの部員が競技を頑張る雰囲気作りが必要と考え、私は2つの策をとった。 1つ目は自分が率先して練習に取り組む姿を見せたことだ。私はランニング走行距離シートを作成し、部員に見える形で1年間でトップの2200kmを走り部員を触発した。これによりお互いに切磋琢磨する練習環境が整った。2つ目はオリエンテーリングのシミュレーションゲームという面白い練習法を推進したことだ。それは部室のPCに眠る古いゲームだったが、人を集めてマニュアル作りを行った結果、ブームとなった。 その結果、全国個人戦の上位進出者が前年の2倍に増え、団体戦では全国3位を取ることができた。
リーダーシップや組織への貢献はしっかりと伝わってきます。ただし、設問の意図とずれているなどの課題もあり、このままでは落ちる可能性が高いです。受かる水準のESに仕上げるために、以下4点の見直しを提案します。
受かる ES にするための添削ポイント
- 設問の意図を把握して答えているか?
- ?が伝わっているか?
- 活動に?があるか?
- ?が明確か?
① 設問の意図を把握して答えているか?
この項目で見直すべきポイントは2点です。まず、このES設問は「あなたがどのような人物であるか」について、「取り組んだ内容」を通じて説明することを求めています。言い換えると、「あなたならではのユニークさ」を伝え、エピソードで補強する構成が求められているのです。
しかし、Beforeの記述は、取り組み内容の説明に終始し、設問の意図を汲み取れていません。設問の指示を正確に読み取り、求められている要素をしっかりと盛り込みましょう。 次のBefore / Afterを読み比べてみてください。
私は学生時代、オリエンテーリング競技に打ち込み、クラブの主将として全国優勝を目指した。
私は 「自ら舵を取り、仲間が進む追い風をつくるキャプテン」 だ。学生時代、オリエンテーリングという山を走る競技に打ち込み、主将として全国優勝を目指した。
Afterのような冒頭文は、あなたの人物像を明確に打ち出し、読み手の興味を引く効果があります。
② ( ? )が伝わっているか?
エピソードの印象は、その前提情報によって大きく左右されます。そのため、前提情報が不足していると、読み手は背景や意義を正確に把握しづらいのです。
今回だと、「オリエンテーリング競技」について説明する場合、情報がやや不足しています。この競技の内容をすぐに思い浮かべられる人は多くないでしょう。ESの読み手は、あなたに関する予備知識がない人です。そのため、状況を具体的に伝えるには、簡単な補足説明が欠かせません。
たとえば、「山を走る競技」「過半数が卒業した」といった説明や背景を加えるだけでも、活動内容や成長の過程がぐっと伝わりやすくなります。