落ちる ES 例
研究室で後輩の研究指導に力を入れ、研究成果を向上させたことだ。私の研究室では個々が独立して研究を進めることが一般的であった。しかし、研究室に配属されたばかりの後輩は研究を進めるのに苦労しているという課題があり、以下2つの原因があった。 1.研究の独自性を見いだせないこと。 2.基礎知識が不足していること。 そこで一人ひとりの研究成果の向上を目的として、後輩とチームを組み、以下2つの取り組みをチームリーダーとして行った。 1.コアタイムを設定して研究の進捗報告会を実施し、テーマが異なるメンバーから様々な視点からの意見を共有する機会を設けた。 2.定期的な勉強会を企画し、基礎知識を補強する授業を行った。 その結果、後輩たちは自発的に研究に取り組むようになった。この経験から、チームで取り組むことが一人ひとりの成長を促し、個人の成果を引き上げることができると学んだ。
研究室全体に好影響を与えた素晴らしい取り組みです。テーマは申し分ないものの、表現にいくつか課題があり、読み手に正しくエピソードの価値が伝わらない可能性もあるでしょう。ここでは以下の5点を添削で改善していきます。
受かる ES にするための添削ポイント
- 全体像が見える結論ファーストか?
- ?が伝わっているか?
- ?ができているか?
- ?が明確か?
- 日立製作所の?にマッチしているか?
① 全体像が見える結論ファーストか?
ESでは、読み手が最初に全体像を把握できるかが重要です。特に企業の選考担当者は1人あたり数百枚ものESを読むため、冒頭から「何をした話なのか」が明確でないと、途中で読むのをやめられてしまうリスクがあります。
この設問の場合、「組織やチームで物事を成し遂げた経験」のため、「チームで何に挑戦し」「どんな変化を起こしたか」を明確に記述しましょう。
研究室で後輩の研究指導に力を入れ、研究成果を向上させたことだ。私の研究室では個々が独立して研究を進めることが一般的であった。
Beforeの文は、後輩の研究指導をしたことはわかりますが、チームとしてどのような変化があったのかが不明瞭です。
個人で研究に取り組むという「当たり前」を改革し、研究室初のチーム研究を導入して研究成果を向上させた経験だ。
添削後のAfterの文は、「個人研究 → チーム研究」の「改革」を自ら主導したことが明記され、読み手が話の全体像をつかみやすくなっています。
② ( ? )が伝わっているか?
読み手は応募者の背景を何も知らない第三者です。背景説明が不足していると、「なぜその行動が必要だったのか」「どれほど難しいことをやったのか」が伝わらず、行動や成果の評価が曖昧になってしまいます。
(改革に取り組んだ背景などの前提情報なし)
所属する研究室は、コンクリート表面のひび割れの画像処理などを研究。私の大学4年生の配属時、何から手をつけて良いのかわからず、先輩や教授に聞ける機会が少なかった経験から、1年後に改革を発案した。