落ちる ES 例
大学の部活動の会計として収入の増加に注力した。練習場所の利用料金が値上がりし、支出が増加する見込みとなった。これに対してOB会費の増収という目標を立て、会費を回収する部員、納入するOBに向けた説明を行った。部員には収支の内訳を説明し、OBに対しては新たな納入方法を整備して納入を促進した。これらの施策により、活動頻度を維持することが出来た。
地道に活動を支えた堅実な姿勢が伝わるESです。ただし、アピール内容がやや曖昧で、企業が知りたい「どんな学生か」が十分に伝わってきません。このままでは落ちる可能性があるため、以下の3点を添削します。
受かる ES にするための添削ポイント
- 前提情報が伝わっているか?
- 三菱UFJ信託銀行の?にマッチしているか?
- ?が明確か?
① 前提情報が伝わっているか?
ESを読む時点では、読み手は応募者について何も知らないため、当時の状況や取り組みの背景といった前提情報の共有は欠かせません。これらが不足していると、「なぜその行動に至ったのか」が読み手に伝わらず、行動の工夫や成果の意義も見えにくくなり、評価されない可能性があります。読み手がスムーズに状況を思い描けるように、エピソードの前提情報(所属や役割、状況、人数、金額、規模感など) を盛り込みましょう。
Beforeでは、「部活動の会計」「収入増加に注力」「練習場所の利用料が値上がり」といった記述はあるものの、いずれの情報も抽象的で、読み手には状況がイメージしづらくなっています。
大学の部活動の会計として収入の増加に注力した。練習場所の利用料金が値上がりし、支出が増加する見込みとなった。
アイスホッケー部で会計を務め、部員とOBに働きかけ収入増加を達成した。当初、練習場の使用料値上げにより60万円の支出増が見込まれた。
Afterのように、部活動名や数値などの具体的な前提情報を盛り込むことで、行動の背景や意図がイメージしやすくなり、取り組みの価値がよりリアルに伝わります。
② 三菱UFJ信託銀行の( ? )にマッチしているか?
企業はESを通じて、「入社後も活躍できる人材かどうか」 を見極めようとしています。自分がそのような人材であることを伝えるには、当時の状況、取り組みの内容や工夫、そして成果を明確に述べることが重要です。
さらに、企業の価値観や方向性と、自分の経験や考えが合致していることを示せれば、「自社にフィットする人材だ」と納得してもらいやすくなります。
例えば、三菱UFJ信託銀行のホームページにある「Fiduciary Dutyについて」では、相手から信頼を託され、その相手のために専門性の高いサービスを提供する人を「フィデューシャリー」と定義し、次のように紹介しています。
フィデューシャリーには、忠実義務、善管注意義務を中心としたさまざまな法的義務を果たすことはもとより、高い倫理観と専門性に基づいて、常にお客さまのために行動することで、託された信頼に誠実に応えていくことが求められます。私たち三菱UFJ信託銀行の役職員一人ひとりは、フィデューシャリーとして、以下に掲げる3つの要素を基本として日々行動するとともに、それらを常に高め続けます。
(1)「人」としての力・人間性高い規範意識と信頼される人間性を持ち合わせるとともに、たゆまぬ自己研鑽を行います
(2)専門性・プロフェッショナリズム信託銀行員として求められる幅広い領域での見識を持ち、お客さまにとって最適・最善の解を提供する専門性を発揮します
(3)お客さまの最適・最善のために行動する力お客さまのことを自分のこととしてとらえ、お客さまにとって真に最適・最善なことは何かを考え、その実現に全力を尽くします
引用元: 三菱UFJ信託銀行のFiduciary
上記から、三菱UFJ信託銀行は 「高い倫理観と専門性を持ち、常にお客さまの最適・最善のために行動する人材」 を求めていることが読み取れます。この点をふまえたうえで、以下のBefore/Afterを比較してみましょう。