落ちる ES 例
貴社の長期経営構想において、特に共感したのは、「沿線を中心とした既存フィールドの深掘り」と「新たな挑戦の継続」の両立を目指す姿勢です。この方針は、少子高齢化やライフスタイルの変化といった社会課題に対応しつつ、地域社会と共に持続的に成長する企業グループを目指すものです。具体的には、沿線の魅力向上やまちづくりの推進に加え、デジタル技術の活用や新規市場への展開を通じて、地域の活性化と企業の成長を両立させる取り組みが示されています。私は、地域社会との共生を重視し、既存の強みを活かしながら新たな価値創造に挑戦するこの姿勢に強く共感しました。特に、沿線価値の向上を図りつつ、グローバルな視点での事業展開を進めることで、地域と世界をつなぐ架け橋となることを期待しています。今後、私自身も地域社会に貢献しながら、新たな価値を創出する取り組みに積極的に関わっていきたいと考えています。
このESは、設問で提示された「長期経営構想」資料をよく理解していることがわかります。しかし主張が「単なる資料の要約」にとどまっており、「主体的に何を成し遂げたいのか」が伝わってこない点が課題です。このESを"受かる水準"に仕上げるために3点の添削を提案します。
受かる ES にするための添削ポイント
- 共感だけでなく自分の志望もあるか?
- 志望につながる?が具体的か?
- 阪急阪神ホールディングスの?にマッチしているか?
① 共感だけでなく自分の志望もあるか?
まずは阪急阪神ホールディングスから提示された「長期経営計画」(2025年3月)の内容を確認しましょう。
34ページにわたる資料には長期経営構想を策定した背景や、全体像・戦略が示されています。特に「事業戦略:中長期的な成長を実現するための取組の方向性」では、 「沿線を中心とした既存フィールドの深掘り」「新たな挑戦の継続」という2つの方向性が提示されていますね。
設問は、「長期経営構想に掲げている目標や方向性の中で特に共感した点」に触れ、「理由について具体的に記入」することを求めています。これに対し、Beforeの文は冒頭で次のように記述しています。
貴社の長期経営構想において、特に共感したのは、「沿線を中心とした既存フィールドの深掘り」と「新たな挑戦の継続」の両立を目指す姿勢です。この方針は、少子高齢化やライフスタイルの変化といった社会課題に対応しつつ、地域社会と共に持続的に成長する企業グループを目指すものです。
阪急阪神ホールディングスが掲げる方向性の要約にとどまり、「自分は何に惹かれ、どんな未来を描いているのか」が読み取れません。読み手には印象が残りにくい構成です。
このESで最も伝えるべきは「あなた自身がどう貢献したいか」です。Afterのように、共感ポイントと将来像を冒頭で一体化させるとよいでしょう。
貴社が沿線で培ってきた価値を国外に広める「まちづくりのグローバル展開」に強く共感した。特に、「安全・安心」という価値は大きな強みである。私は貴社において、災害リスクの高い東南アジアの不動産事業の推進役となりたいと考えている。
「グローバル展開」への関心とともに、自分が担いたい役割が具体的に述べられています。読み手は冒頭を読んだ瞬間に、「この学生は海外事業に関心があり、防災の文脈でまちづくりに貢献したいのだな」と掴むことができるのです。
② 志望につながる( ? )が具体的か?
共感した点に関して、設問は「理由について具体的に記入」することを求めています。これは言い換えると、「なぜその点に関心をもつのか、あなた自身の経験から説明してください」ということです。
私は、地域社会との共生を重視し、既存の強みを活かしながら新たな価値創造に挑戦するこの姿勢に強く共感しました。特に、沿線価値の向上を図りつつ、グローバルな視点での事業展開を進めることで、地域と世界をつなぐ架け橋となることを期待しています。
Beforeの文では、自身の体験は一切登場しません。「なぜ共感したのか」の裏付けとなる独自のストーリーがないため、説得力が弱いのです。表現も抽象的で、他の学生と似たような印象になりやすく、読み手の記憶にも残りづらくなります。