落ちる ES 例
多国籍国際交流サークルで学祭屋台出店を成功させ、サークルの新たな伝統を確立させた活動だ。当サークルでは、留学生の日本語スピーチコンテストなどの大型イベントを実施している。前年度、先輩方が「新たな伝統を創りたい」と屋台出店を試みたが、参加者は少数であった。長期的に継続する活動にすべく、会員の参加意欲を高め、次年度以降の開催に繋げることを目標にした。最重要課題として、留学生への参加意義醸成不足を認識した。「留学生にも学祭を体感してほしい」との想いから、国際交流特有の「世界の祭」を題材に、資料を作成・プレゼンし魅力を訴求した。結果、活動後のアンケートで95%から「またこの活動に参加したい」との回答を得て、今年度も活動を継続する。この活動から、目標を達成する喜びを感じた。
学祭に向け、留学生の参加を促し、多くのメンバーを巻き込んで目標を達成した素晴らしい取り組みです。
ただ、活動の成果は伝わる一方で、あなたらしさや熱意が見えづらい印象です。ここでは、4点を見直しながら、より思いや強みが伝わるESへとブラッシュアップしていきましょう。
受かる ES にするための添削ポイント
- 定量的な表現ができているか?
- ?を把握して答えているか?
- 活動内容が?か?
- ?の提示があるか?
① 定量的な表現ができているか?
活動の価値を正しく伝えるには、読み手とイメージを共有することが重要です。人数・期間などは定量的な表現を使うことで効果的にイメージ共有ができます。
たとえば「多国籍国際交流サークル」と書いても、何カ国・何人規模なのかがわからないと、読み手には活動の具体的なイメージが湧きにくく、留学生の参加意欲を高めることの難しさも伝わりません。
Afterのように「10カ国以上の学生、300人」と書けば、活動の規模や多様性が明確になり、その中でリーダーとして動いた経験の重みが読み手に伝わります。
多国籍国際交流サークルで学祭屋台出店を成功させ、サークルの新たな伝統を確立させた活動だ。
10カ国以上300人が所属する多国籍国際交流サークルで、リーダーとして「世界の祭屋台」の学祭出店に挑戦した経験だ。
② ( ? )を把握して答えているか?
設問をもう一度振り返ってみましょう。
「あなたが学生時代に夢中になって取り組んだことや想いをもって取り組んだことを、理由も合わせて教えてください。(400字)」
通常の「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」に比べ、活動の背景の「想い」を重視していることが伝わります。富士フイルムビジネスイノベーションは、なぜ「想い」を大事にするのでしょうか。同社の「求める人材像」を確認してみましょう。
私たちは長年、「自ら考え行動する人」「成長と変化に挑む人」の2点を求める人物像として掲げてきましたが、様々な変化が加速度的に起こっている昨今、これらの要素は更に重要性を増してきました。 仕事だけではなく、自らの人生においても自分自身の意志や想いを大切にし、主体性を以って進むことが出来る人、常に高い目標持って自分を成長させることができる人と私たちは一緒に社会をより良くしていきたいと考えています。
引用元: 富士フイルムビジネスイノベーション採用HP
つまり、富士フイルムビジネスイノベーションはこの設問で、単なる活動内容でなく、内面の動機や価値観を通して、主体性や成長意欲がある人物かどうかを見極めようとしているのです。
これを踏まえてBefore / Afterを比べてみてください。
前年度、先輩方が「新たな伝統を創りたい」と屋台出店を試みたが、参加者は少数であった。長期的に継続する活動にすべく、会員の参加意欲を高め、次年度以降の開催に繋げることを目標にした。最重要課題として、留学生への参加意義醸成不足を認識した。「留学生にも学祭を体感してほしい」との想いから、国際交流特有の「世界の祭」を題材に、資料を作成・プレゼンし魅力を訴求した。
Beforeの文は、表面的な目標や課題解決の記述にとどまり、応募者自身の想いや原動力が見えません。一方、次のAfterの文は、「誰のために、なぜ行動したのか」が明確で、筆者の主体性と想いが伝わる内容になっています。