落ちる ES 例
社会イノベーションを掲げる貴社の理念に共感し、本ワークショップを志望する。私は「まだまだな自分」を原動力として、愚直に努力し続けてきた。パソコン教室でのアルバイトでは、高齢者への説明がうまく伝わらず落ち込むこともあったが、そのたびに振り返りを重ねて改善。粘り強く努力を積み重ねる重要性を知った。本ワークショップでは、貴社の社風を体感し、自らがどのように貢献できるかを具体化する機会としたい。
企業がインターンの志望動機で見極めようとしているポイントは主に2点。①「自社の価値や事業をどれだけ深く理解しているか」、そして②「その理解をもとに自らどんな学びや行動をしたいと考えているか」です。このESは①②どちらの要素も不足しており、このままでは落ちる可能性が高いでしょう。受かる水準に仕上げるために、添削すべき点は4点あります。
受かる ES にするための添削ポイント
- 主体性を強調しているか?
- 他社にない?への理解があるか?
- ?が業務と重なるか?
- ?を理解しているか?
① 主体性を強調しているか?
「『〜〜に共感しました』ばかりの志望動機は面白味がないんですよね」。これは、ある日系大手企業の人事担当者が苦笑いで教えてくれたES選考の裏側です。
もとのES例を見てみましょう。
社会イノベーションを掲げる貴社の理念に共感し、本ワークショップを志望する。
「理念に共感し、志望する」と述べているだけで、自身の目標や価値観が具体的に示されていません。企業の方針に合わせた受け身の印象を与える可能性があります。
一方、次のAfterの文はいかがでしょうか。
デジタル弱者に優しいAIの社会実装という自身の目標と、貴社の強みが一致しているからである。
自分自身のビジョンに基づいて志望していることがはっきりと伝わってきます。目標と企業の強みが一致しているという構成のため、主体的な動機として説得力があります。
② 他社にない( ? )への理解があるか?
また企業への関心を言及する際は、固有の強みに着目することが重要です。企業の採用HPは、自社の強みをはっきりと打ち出しているケースが少なくありません。日立製作所の新卒採用HPでは、トップメッセージで執行役社長が次のように語っています。
皆さんは、きっと今、さまざまな企業の情報について調べられていると思いますが、日立の最大の特長であり他の企業にない強みは、IT(情報技術)、OT (運用・制御技術)、そして幅広いプロダクトを併せ持っていることです
引用元: 日立製作所新卒採用HP「トップメッセージ」
日立は、IT・OT・プロダクトが他社にはない強みだとわかります。近年は、AIやデータ活用などもあわせたソリューションやサービス、テクノロジーの総称としてLUMADA事業を手掛けており、これらに具体的に触れることで日立の価値や事業を深く理解していると示すことができます。